2014.10.17

Pacemaker-1.1.12 リポジトリパッケージのRC1版を公開します。

このRC1版は現在検証中ですが、一ヶ月間ほどテスト期間を設けた後、 特に大きな問題がなければこのまま11月末に正式版としてリリースする予定です。

ご興味のある方はぜひ試してみていただいて ご意見等いただければと思います。

今後の予定

  • 2014.10.17: Pacemaker-1.1.12-0.RC1 リリース ← イマココ!
  • 2014.11.14頃まで: RC版テスト期間
  • 2014.11末: Pacemaker-1.1.12-1.1正式版リリース予定

1. ダウンロード

RC1版のパッケージは以下のURLよりダウンロードできます(ダウンロードが始まるまでしばらく時間がかかることがあります)。


2. インストール

以下の手順で Pacemakerをインストールします。yum コマンドにより 必要な依存パッケージも自動的にインストールされますので、 OSのインストールメディア等が参照できるようにしておいてください。

# rpm -ivh pacemaker-repo-1.1.12-0.RC1.el6.x86_64.rpm
# yum install pacemaker-all

3. 設定例

3.1. corosync設定ファイルの設定

corosyncの動作に必要な設定を行います。 以下は最低限必要な設定例です。

/etc/corosync/corosync.conf 設定例

totem {
        version: 2
        token: 1000
        rrp_mode: active
        interface {
                ringnumber: 0
                bindnetaddr: 192.168.101.0
                mcastaddr: 239.255.1.1
                mcastport: 5405
        }
        interface {
                ringnumber: 1
                bindnetaddr: 192.168.102.0
                mcastaddr: 239.255.1.1
                mcastport: 5405
        }
}

logging {
        syslog_facility: daemon
        debug: off
}

quorum {
        provider: corosync_votequorum
        expected_votes: 2
}

ここで以下の設定項目は環境に合わせて設定してください。

  • bindnetaddr, mcastaddr, mcastport: ネットワークに合わせて設定します。
  • syslog_facility : ログの出力先を変更したい場合は適宜変更します。
  • expected_votes : クラスタを構成するノードの数を設定します。

詳細は corysync.conf(5) マニュアルページ等を参照してください。

3.2. corosync認証鍵ファイルの設定

corosyncの認証を行うための認証鍵ファイルを作成します。

どれか一つのノード上で corosync-keygen コマンドを実行し、生成された authkey ファイルをクラスタを構成する全てのノードにコピーします。 以下の手順例は node2 へコピーしている例です。

/etc/corosync/authkey 設定手順例

# corosync-keygen -l
# scp -p /etc/corosync/authkey root@node2:/etc/corosync/authkey

3.3. pacemaker設定ファイルの設定

Pacemakerの内部プロセスが故障した場合もノード故障として取り扱う ようにするため、以下の設定を追加します。

/etc/sysconfig/pacemaker (追加設定行)

export PCMK_fail_fast=yes

3.4. クラスタ起動スクリプトの設定

以下の設定を行うため、クラスタ起動スクリプトの一部を修正します。

  • ノードのshutdown時にPacemakerを正しく停止するため
  • hardware watchdog が利用可能な環境では hardware watchdogを利用可能にするため
  • corosyncプロセス故障時に watchdog 機能を有効にするため

以下に修正箇所を示します。

/etc/init/pacemaker.combined.conf (修正箇所のみ)

--- pacemaker.combined.conf.org 2014-10-14 11:17:24.498010606 +0900
+++ pacemaker.combined.conf     2014-10-14 11:19:10.079010163 +0900
@@ -2,6 +2,7 @@
 #
 # Starts Corosync cluster engine and Pacemaker cluster manager.

+stop on runlevel [0123456]
 kill timeout 3600
 respawn

@@ -20,7 +21,7 @@
 pre-start script
     # setup the software watchdog which corosync uses.
     # rewrite according to environment.
-    modprobe softdog soft_margin=60
+    [ -c /dev/watchdog ] || modprobe softdog soft_margin=60
     pidof corosync || start corosync

     # if you use corosync-notifyd, uncomment the line below.
@@ -49,7 +50,7 @@
     rm -f /var/run/$prog.pid

     # if you use watchdog of corosync, uncomment the line below.
-    #pidof corosync || false
+    pidof corosync || false

     pidof crmd || stop corosync

4. 起動・終了

4.1. 起動コマンド

Pacemakerを起動するには以下のコマンドを実行します。

起動コマンドは Pacemaker-1.0系とは異なり、 Upstart経由(RHEL6の場合)で起動する手順が推奨です。

# initctl start pacemaker.combined

正常に起動すると、crm_mon コマンドの表示でノードが Online 状態となります。

# crm_mon -D1
Online: [ node1 node2 ]

4.2. 終了コマンド

Pacemakerを停止するには以下のコマンドを実行します。

# initctl stop pacemaker.combined

5. アンインストール

以下の手順で Pacemaker リポジトリパッケージを 全てアンインストールできます。

  • Pacemaker本体のアンインストール
# yum erase pacemaker corocync libqb cluster-glue cluster-glue-libs resource-agents \
pm_crmgen pm_logconv-cs pm_diskd pm_extras crmsh pssh
  • Pacemakerリポジトリパッケージのアンインストール
# rpm -e pacemaker-repo
# rpm -qa | grep pacemaker-repo
#

6. リポジトリパッケージ内容

リポジトリパッケージには以下のパッケージが含まれています。 このページに記載したインストール手順では★印のついたパッケージが インストールされます。

  • パッケージ一覧
    • ★ Pacemaker-1.1.12
    • ★ Corosync-2.3.4
    • ★ libqb-0.17.1
    • ★ cluster-glue-1.0.12
    • ★ crmsh-2.1
    • ★ pm_diskd-2.0
    • ★ pm_extras-2.0
    • ★ pm_logconv-cs-2.0
    • ★ pm_crmgen-2.0
    • ★ pssh-2.3.1-5
    • pm_ctl-2.0
    • pcs-0.9.90
    • fence-agents-4.0.10

以上です。